今、中国のトレーディングカードゲーム(TCG)市場は、かつてない熱狂の渦中にある。最新のレポートによれば、2024年末時点の市場規模は263億元(約5,655億円)へと膨れ上がり、2017年からわずか数年で年平均成長率68%という驚異的な伸びを記録した。この空前の活況を受け、伝説的ボードゲーム『三国殺』の誕生18周年を記念した待望の新作TCG『正面对决:三国杀集换式卡牌游戏』(以下、『正面对决』)が、2026年7月よりついにその産声を上げる。









名作のDNAを継承しつつ、現代的なタクティクスへと昇華
『正面对决』の開発を指揮するのは、遊カ(Yoka Games)のチーフデザイナーであり『三国殺』の生みの親でもあるKayaK(黄恺)氏。2025年初頭に極秘裏にスタートしたこのプロジェクトは、かつて展開された『阵面对决』の魂を受け継ぎながらも、そのルールを根本から再構築した。KayaK氏が掲げるのは、「初心者でも迷わないプレイヤビリティと、熟練者を唸らせるビルドの深み」の共存だ。おなじみの「風・林・火・山・陰・雷」の属性システムや、間合いを測る距離の概念、体力を示す勾玉システムといった原作の醍醐味をベースに、全く新しい戦略の駆け引きを提案する。
また、昨今の1対1形式が主流のTCGシーンに一石を投じるべく、本作は「2対2」などの多人数プレイを標準サポートする。これはオフラインでの「顔を合わせた交流」を重視してきた『三国殺』のアイデンティティそのものだ。カードショップでの対戦はもちろん、仲間内で集まってワイワイと盤面を囲む、あの独特のプレイフィールを現代のカードバトルとして最適化している。
2億円規模の還元。コミュニティの「遊び場」を徹底サポート
遊カの『正面对决』発行責任者・冯达(フォン・ダ)氏は、プロモーションおよびコミュニティ構築に1,000万元(約2億1,500万円)以上の予算を投じるという強気な姿勢を見せている。この資金は単なる広告費ではなく、カードショップの運営支援、競技プレイヤーに向けた公式ポイント大会、そしてカジュアル層が楽しめるカーニバル形式のイベントなど、プレイヤーの「遊び場」を盤石にするために使われる。「デジタルゲームが個人の時間を奪い合う中、TCGは仲間と共に時間を共有する『共生』のエンターテインメントである」と冯达氏は語り、オフライン市場への強いこだわりを示した。
さらに同社は、大手代理店「姚记潮品」とタッグを組み、中国全土1,100校以上の大学サークルを通じた学生層へのアプローチを強化。あえてオンライン版の開発を短期的には導入支援ツールに留め、まずはオフラインのコミュニティ基盤を徹底的に固める戦略だ。
決戦の地は「ChinaJoy」。2026年夏のロードマップ
『正面对决』の火蓋は、2026年6月27日の全国先行試遊会から切られる。続いて7月10日~12日に上海で開催される「Bilibili World」への出展を経て、7月31日開幕の「ChinaJoy」にて、いよいよ第一弾製品が正式発売される予定だ。同社はすでに第4四半期には第二弾の投入も視野に入れており、長期的な視点でのシーン構築を狙う。
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