「BLEACH」新作の遅れで1億元の補償、名臣健康子会社が業績未達

User avatar placeholder
Written by 朝日堂

2026-06-02

中国のA股上場企業、名臣健康(Mingchen Health)は、完全子会社である喀什奥術網絡科技有限公司(以下、奥術網絡)が2023年から2025年の業績コミットメント期間において、累計3,146万3,500元(約6億7,600万円)の純損失を計上したと発表した。これにより奥術網絡は、親会社に対し約1億400万元(約22億3,600万円)にのぼる現金補償の義務を負うこととなった。

シャンプーメーカーからの転身、ゲーム事業への賭け

名臣健康はもともと、中国国内で高い知名度を誇るヘアケアブランドを展開する日用品メーカーだ。本業の成長鈍化を受け、新たな収益源としてゲーム事業へ進出。2020年に複数の開発会社を相次いで買収し、2022年末には奥術網絡を7,270万元(約15億6,300万円)で傘下に収めるなど、ポートフォリオの拡充を急いでいた。

期待の大型IPタイトルが直面した「短命化」の波

奥術網絡には、人気漫画『鎮魂街』のモバイルゲーム化や、ByteDance傘下の朝夕光年(Nuverse)がグローバル展開を予定していた『BLEACH』の新作『境・界 刀鳴』の開発など、強力なラインナップが期待されていた。

2022年末にリリースされた『鎮魂街:天生為王』は、初週売上が1億元(約21億5,000万円)を突破するロケットスタートを記録。しかし、パブリッシャーである中手游(CMGE)が市場環境の変化を受けて運営リソースを縮小したことで、タイトルの寿命が急速に短縮。最終的に同プロジェクトは2024年3月に解散し、サービス終了という苦い結末を迎えた。

ByteDanceの事業縮小が追い打ちに

もう一つの柱であった『境・界 刀鳴』も、不運なタイミングに翻弄された。同作は2021年にByteDance側から開発費と前払い金として計1億1,000万元(約23億6,500万円)を受ける好条件で契約していたが、2023年末にByteDanceがゲーム事業の劇的な縮小を発表。組織改編の混乱により、リリーススケジュールに大幅な遅延が生じた。

最終的に2025年11月にローンチされ、事前登録者数1,500万人突破、売上ランキング13位に食い込むなど地力の強さを見せたものの、業績コミットメント期間の最終盤であったため、累計収益への寄与は限定的に留まった。名臣健康は公告の中で、パートナー企業のプロモーション遅延が収益減少の主因であると説明している。

WeChatミニゲーム市場へのシフトと、激化するコスト競争

2025年の非経常損益を除く純利益が赤字となった名臣健康は、現在、WeChatミニゲーム(小遊戯)市場に活路を見出している。『幾何王國』などのヒット作も生まれているが、昨今の広告宣伝費(UAコスト)の高騰やプラットフォーム手数料の圧迫により、安定した利益貢献には至っていない。異業種からの参入による「第2の成長曲線」を描けるか、同社の手腕が改めて問われている。

Sources:

文字よりも、ガチャガチャを回すあの軽やかな音を聴くのが好き。ランダムに転がり落ちてくるサプライズは、原稿を直したあとに訪れる予期せぬ驚きにとてもよく似ている。デスクの上には癒し系フィギュアがずらりと並んでいて、それらは締め切りのプレッシャーの中で、いちばん小さくて、いちばん確かな幸せの火花なんだ。

朝日堂

Leave a Comment